社会人からパイロット

社会人からパイロットを目指す方へ、そのヒントと応援をするブログです。航空ファンの方にも楽しんでもらえるよう、業界の出来事に雑感を交えながら紹介していきます。

採用試験(適性検査)について

f:id:ship737:20190920200456j:plain
晴れてライセンサーとなれば一番の関門となる採用試験ですね。学科や面接が通らなければ話にならないですけど、難しいのは『適性試験』ではないでしょうか。

各社工夫を凝らして様々な角度から受験生を見ていますが、当然言えることは失敗しなければ(上手ければ)減点のしようがないということです。なので事前にプロファイル等が渡されれば十分にイメトレをして試験に臨んでください。

試験機材が使えるようならば、一度や二度は触っておけるとベストですね。ただですね、これが難しい。慣れすぎも良くないみたいです。その機材に慣れているかどうかは恐らくベテランの教官陣は直ぐに見抜きます。そうするとチェックするポイントが変わるというか、厳しくなる傾向にあります。

絶対やってはいけないことは『このシュミレーター触ったことある?』『1,2回やりました...』ってありそうな光景じゃないですか?すると採用側は『1,2回??なんだその誤魔化したような答え方は…本当はもっとやったのかな??』という具合になり、場合によっては機材を提供しているところに確認したりされる可能性が高くなります。

なので正直に言って下さい。そんなこともあって、『1回』か『2回』練習してあとはイメトレ。聞かれたら正直に答えるが一番なんだと思います。嘘つきとなると一気に印象が悪くなりますからね。

ではどんな点を見ているか。一言でいえば『こいつを自分の右席に座らせられるか』なんでしょうけど、どんな時も落ち着いて丁寧に対処する。コールアウトやインテンションはハッキリ伝える。失敗した場合でも誤魔化そうとせず意欲的に修正する。ワークロードが高くなったときにテンパらない。そして同じミスはしない。

つまり初期訓練の時からどんな訓練をしてきたのかが見られると思って間違いないです。デジタル計器は1度、1ktでも誤魔化せないですから常に修正意欲を見せます。(安定していても1ktずれた状態を絶対維持しないでください)そしてどんな時でもSituational Awarenessは失ってはなりません。

だから機材に慣れて一発でパワーコントロールを決めたりしなくても大丈夫ですし、諸元がずれてもいいんです。修正の方向が間違っていなければ問題にならないそうです。(例えば速度が増えているのを見逃して、ただ高度が上がっているからとピッチだけで下方修正するのは×ということですね)むしろ失敗したときにの対処が良かったりすると逆に評価が上がることもあるそうです。

また試験中に話しかけたりもしてきます。実運航でも同じですね。『Fly First』です。だからといって無視もできないでしょうから、忙しいときは『○○した後に答えます』とでも言っておけばいいんじゃないでしょうか。

あと無用なアピールはいりません。失敗した時に『あれ?いつもはこんなんじゃないのになあ…このシュミレーターおかしいのか?』って首をかしげる人、結構多いそうです。相手は機械なので、壊れていない限り皆同じ条件ですからね。(壊れてたり設定が違っていたりしそうな時は、遠慮なく言いましょうね)

技術的なアドバイスとしては…ジェントルなフライトをしましょう。『どうだ。諸元ぴったりだ!』といっても乗り心地の悪いフライトは嫌がられます。大切な人を乗せているつもりで適性検査も受検すれば、きっと上手く行くと思います!明るく、優しい気持ちで臨んでください!

『更に上位者向けの追記。風まで意識できれば最高です。採用試験で使っているFTDは地上風と上層風を変えることができるそうです』

英語対策としてCASECは絶対一度は受けて、自分の英語力を把握しておくことをすすめます。総合的な英語の能力を図れるということで、各企業注目しているそうです。適性まで行けば最後は総合点勝負ですから、英語の試験も侮れないです!