社会人からパイロット

社会人からパイロットを目指す方へ、そのヒントと応援をするブログです。航空ファンの方にも楽しんでもらえるよう、業界の出来事に雑感を交えながら紹介していきます。

パイロット不足 その2

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2020年に向けた羽田発着枠拡大に向け、先日は首都圏の空域に大幅な変更がありました。国内各社では需要増加を見込みその準備に追われているようですが、どこも人材不足には頭を抱えているようです。

パイロットの場合、その性質上養成までに長い年月がかかります。なので事業用多発計器まで取得したライセンサーの募集をしていますが、会社目線で見ると『質』という点でその数も減ってきていると考えているようです。

前のブログにも書きましたが、会社はとにかく一定以上の『資質』を持ったパイロットを探しています。なので民間スクールや私大からは『推薦制度』と称して少しでも優秀な人材を先に囲ってしまおうとしているのですね。

35歳未満で一定以上の技量を備えていれば就職は比較的容易な時代にあると言えます。そこから溢れてしまった人でもライセンス以外に、技量の向上や英語力など、見える形で努力をしていけば必ずチャンスはあります。例えば英語がペラペラなら海外での就職も視野に入りますよね。海外は難しい…なんて言っている人は諦める理由を探している人だと僕は思っています。(現に活躍している人は大勢います)はじめから海外を目指すというのもアリです。そんな人はFAAを取得した後、JCAB訓練を受ける必要はなくなりますね。


しばらく前に大学の後輩がパイロットを目指していることで、その相談に乗ってきました。その彼女はJCABの事業用は所持しているのですが、計器の費用が捻出に時間が掛かりそうなので、一旦使用事業に就職しようか悩んでいました。就職は本人が決めることなので、僕がとやかく言う事ではないのですが、ハッキリ言えることは小型機での飛行経験は国内の会社では全く評価されないという事です。

大手の航空会社ではMPLでパイロットを養成しているくらい『一人で飛ぶ』という事を想定していないんです。そしてパターンを綺麗に回れるとか、マニューバーが上手いとかの技量はT類の飛行機では求められません。どんな時でも常に落ち着いて対処ができるかとか、MCPやCDUをはじめとする各種装置をミスなく入力することができるか、そして将来的にキャプテンになれる人材かどうかなどを見ています。求めるものが違うんですね。(そうは言ってもFAAでインストラクターをしてATPLを持っているとなればまた別です)

どこの国でもパイロット不足です。来たるべきチャンスに備えて、今の訓練から大切に取り組んでみて下さい!諦めなければ夢はきっと叶います!