パイロット不足と採用
2020年以降の路線拡大に向けて、各社パイロット不足が深刻になってきています。
その割には採用が少ない…と思っている方もいると思いますが、どこの会社でも公募以外の採用等で訓練がフル稼働しているために訓練枠を増やさないと対応できない状況になってきています。
ピーチやジェットスターなどのLCCでも指定本邦を取ったり、訓練や審査の効率を上げる努力をしていますが、なかなか思うようには進んでいないのが実際のようです。
ただいくらパイロット不足が進んでも、チェックアウトまでにフェイルしてしまう可能性がある訓練生は採用したいと思われません。既にライセンスを取得して就職活動中の方は技量や知識を落とさないように維持していくこと、訓練中の方は高品質な訓練を受けて今後に備えていくことを心掛けて下さい。ライセンス取得ばかりに目が向けられ、ギリギリの知識や技量で訓練を終わらせないようにすることが大切です。
扱う飛行機の機体が変わっても、それなりに飛行時間を持っていたり、経験がある人は操縦法に関して機体差異に上手く対応することができます。第3世代と第4世代の飛行機ではフライバイワイヤか否かで結構違いますが、それでもピッチとパワーのコントロールで安定して飛ぶことができるんですね。
訓練や採用試験で大切なことは、上手く飛ばすことばかりを考えるのではなく、どの位のピッチとパワーで飛ばせば飛行機はどう動くかという事を素早く理解し、根拠に基づいた飛行を出来るようにしておくことです。
機材に慣れているかどうかではないので、試験機材での事前練習はそれほど重要ではありません。(普段からそういったことを考えて訓練してください。単にピッチとパワーを覚えて合わせるというやり方では機種移行が難しくなります)
例えば小型機ならアプローチが高くなってもアイドルにしていくらでも調整できますが、ジェット機だとハイエナジーになって高度や速度の調整が難しくなります。小手先でなく、先を見越したフライトが出来るように訓練していきましょう。僕は小型機でも大型機でも飛行機の飛ばし方の根本は同じだと思っています。
パイロットが居なければ航空会社は事業拡大ができません。よほど大きな経済悪化でもない限り、パイロット不足の状況は暫く続くでしょう。そしてより深刻になっていくと考えられています。
面接試験では訓練過程で苦労した点を聞かれることが鉄板です。それをどのように克服したか、そこから何を学んだのかを整理しておくと良いでしょう。
パイロットを目指している方には非常に良い時期になってきています。しっかり目標を持って頑張ってください!