社会人からパイロット

社会人からパイロットを目指す方へ、そのヒントと応援をするブログです。航空ファンの方にも楽しんでもらえるよう、業界の出来事に雑感を交えながら紹介していきます。

社会人からパイロットを目指す(6)

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海外ライセンスの取得が終了すれば、いよいよJCABです。就活を考えれば推薦のもらえる国内の二大訓練校(A社・H社)が良いですけど、今はこの2社は通い訓練は出来ないんじゃないかな。でも仕事、辞められない人もいると思います。

JCABの事業用多発計器はおよそ1000万の訓練費  + その間の生活費が掛かります。1回でもフェイルして再訓練・再試験となれば、多発計器なら単価15万と考えて、10時間の追加訓練と4時間の試験…車が買えちゃいます。普通に働いている時との差額を考えると恐ろしくなります。確かに二大訓練校の信頼性は高いようです。そこ以外からは取らないという会社もありますしね。

そう言った意味ではチャンスはこのような訓練校の方が多いかもですが、でも結局はその人の問題だと僕は思っています。どこで免許を取っても就職できる人は出来るし、できない人は出来てないです。免許取得レベルと就職レベルは明らかに違うんですね。前にも書きましたけど、免許はお金があれば取れちゃいます。でもここまで来ると結構レベルの違いも見えてきます。考え方の違いと言った方が良いのかもしれない。1kt、1°、10ftに拘れる人、おおざっぱな人、タスクの処理が早い人と遅い人…色んなタイプがいます。どんな教官に教わったかの影響はものすごく大きいです。

その段階まで行ってない人もラインを目指すのであれば今日からやっておくべきことがあります。英語と教養対策。何だかんだ筆記試験で高得点がマークできる人はかなりアドバンテージがあるようです。直前対策的なものではなくて、能力自体を上げるようにするのがいいと思います。海外ライセンス取得時に一緒にTOEICなども受けてしまいましょう。海外訓練時から英語力が落ちたと感じる人はブラッシュアップしておきましょう。(月額5980円で24時間予約不要・話し放題のネイティブキャンプは本当におススメです!)

飛行機の世界では70点が合格点とよく言われますが、はじめから70点狙いだとどこかで失敗します。そしてパイロットはNo Excuseの世界です。『ATCが』『天候が』って言い訳をすることはやめましょう。気持ちは分かりますよ。『俺って運悪いな~』って思う事が何度あったことか…でも何のためにパイロットが乗っているかを考えればおのずと答えは出てきますよね。全てが順調ならパイロットなんか誰でもいいんです。

日本の訓練では、通いやすさとか、仕事をどうするのかを考えて訓練校を決めると思いますが、訓練地域で結構オペレーションにも差が出てきます。僕は事業用も計器も別に仕事を辞めなくても資格は取れると思います。また日本の事業用試験は範囲が膨大でどこまでやったらいいのか分からなくなりますけど、実機訓練を始めるまでにとにかく知識をつけておくことです。まずはAIM-Jを舐めるように読破して、これまでの海外と日本の違いをしっかり理解しておくことが必要です。FAAと日本ではATCも違います。最低限、どこに何が書かれているのかくらいは直ぐに分かるようにしておきたいです。

そしてこのAIM、時々古いものを持っている人を見かけますが、こういうものは常にカレントにしておきましょう。『この人古い情報で大丈夫だと思っているのかな?』なんて思われてしまいますから、そこは惜しまず最新版を買ってください。

如何に費用を掛けずにパイロットとしての勉強を進めるか。

知識』です。大きな費用を掛けなくとも知識を身につければ自信がつきますし、何より飛行訓練時間が少なく済みます。訓練校でもたいした座学はやってくれない(と思います)。『こんなの知ってるよね~』的な。自分で勉強して、最後の最後で試験対策です。