社会人からパイロット

社会人からパイロットを目指す方へ、そのヒントと応援をするブログです。航空ファンの方にも楽しんでもらえるよう、業界の出来事に雑感を交えながら紹介していきます。

社会人からパイロットを目指す(3)

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G1000

身体検査が問題なければ、航空無線通信士資格の取得して、FAAなどの自家用学科試験対策(独学)を行いながら、いよいよスクール選びとなります。

検索をかければ沢山のスクールが出てきます。どこが良いのか分かりませんよね。働きながらのライセンス取得の場合、渡航に無理のない場所であることもとても重要です。グアムとフロリダでは移動時間が全く違いますので。あと西海岸は冬が雨期になります。気象特性も調べてみるとよいでしょう。

日本人を専門としたスクールは正直日本人向け価格で高いです。日本人が沢山いて、日本語で教えてくれて安心ですけど。周りに先輩や指南役の人がいれば、現地のスクールでも問題はないのです。恐らく半分~2/3位の費用で訓練を進めることができるでしょう。

ただ日本式のログの書き方を聞いたり、ちょっと英語では理解できない時に相談できるような知り合いが誰もいない場合は、日本人スクールの方が安心かもしれないです。でももし僕が再度そこからスタートするなら、迷わず現地スクールを選択します。取得するのはあくまでFAAなどの海外ライセンスですから。

『日本の空を熟知した教官が…』などと宣伝をうたっているのであれば、最低でも日本の事業用ライセンスを持っている人に教わりたいものです。そして更に欲を言えば、今の採用試験で使用されるのはG1000というグラス計器のものが一般的です。スピードテープの感覚に慣れるためにも、早くからグラスコックピットに慣れておいた方が良いです。(日本の訓練からでも間に合うので、できればというところですが)

スクールが決まればあとはシラバスに沿って訓練と勉強するのみですね。操縦訓練は正直楽しいので、誰でもどんどん進みます。通っただけ上達もします。上手くいかず悩む時もあるかも知れませんが、必ず誰でも出来るようになります

ライセンス取得までの期間でキモになるのは知識(学科)です。これは現地に居なくてもできます。日本にいる時にどんどん進めれば良いのです。分からないときはメールで質問できるような教官だったりすると良いですね。

渡航前から前のブログで紹介したテキストと問題集に目を通しておく。教えてくれる人がいれば聞いて勉強しておく。そうすれば現地では実機訓練に集中できます。訓練は学科6割、実技4割くらいのイメージです。(上級ライセンスに進むほど実技の割合が減ってきます) 初めてライセンスを取る場合、そのライセンス取得だけに目が向きますが、しっかりと学習方法を学んでおく必要があります。

チェックリストもただ通してやるだけではなく、ここでそのチェックをするのはどんな意味があるのか。例えば離陸前にエレキフューエルポンプをONにする意味は分かると思いますが、エンジンドリブンがフェールした場合、どんな症状がでますか?とか。システム的にはどうなっているかなど、自分で掘り下げて学習する習慣をつけておかないと、実用機のタイプレーティング取得の際には苦労します。

日本人向けの学校の場合、グランドスクールがパッケージになっていて、何十万もすることも多いです。先が長いので効率的に進められるところは省いていきましょう。そしてプライベートが取得できる頃には当初知らなかったことも見えてきて、どのように進むべきかも分かってきます。

ICAO加盟国の自家用ライセンスは法規の受験のみで日本のライセンスに書き換えができます。(おまけで申請すれば航空英語能力証明もついてきます)この時点で航空無線通信士も取得していれば、あとは第二種航空身体検査証明を受ければルール上は日本でも飛行できることになります。

日本の訓練費用は高額です。海外ライセンスは出来るだけセーブして進めるのが得策ですが、安かろう悪かろうでは後で後悔することになります。私だったら海外ライセンスのCFIでもライン経験者を探します。

小型機しか知らない人と実用機の経験がある人ではポイントが全く違います。これは仕方のないことですが。

矛盾するところですが、海外では費用を掛けずに質の高い訓練を探します。そして海外の訓練時から日本のパイロットにアドバイスを貰いながら進めることは非常に効果的です。