社会人からパイロット

社会人からパイロットを目指す方へ、そのヒントと応援をするブログです。航空ファンの方にも楽しんでもらえるよう、業界の出来事に雑感を交えながら紹介していきます。

社会人からパイロットを目指す(5)

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海外ライセンス(FAA)のまとめをしておこうと思います。

① 日本でできること(特に学科・知識)は全て日本で先に済ませてしまう。

② できればFAA事業用多発計器まで取っておいた方がよい。

③ 現地校と日本人スクールでは総額で200万円以上の差が出ることもある。

④ FAA訓練の後半に入ったらJCABの事業用学科を受験してしまう。

⑤ 日本の気象の勉強は今からやっておくこと。

⑥ 飛行機あたまをキープし続ける。(話を聞く・書物を読む)

 

以前にも書きましたが、海外ライセンス取得のレベルは高くないです。やっていれば誰でも取れるので、自らハードルを上げていくことが大事です。日本にいる期間(お金をためている期間)はとにかく勉強なり、本を読みましょう。海外での訓練前に、日本の事業用レベルを知っておくことも良いと思います。それに合わせて自分で意識して飛ぶ事が必要です。

実地試験細則(国土交通省サイト)http://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/pdf/201312/00006038.pdf

 

アメリカでは試験に落ちても駄目な項目だけ数日後に受験…なんてできますが、日本は一度落ちると時間的にも費用的にも打撃を食らいます。再訓練計画書なるものを航空局に提出し(教官が作成)、承認され所定の訓練が終了すると再試験です。最低10時間の訓練、3ヶ月の期間が必要です。だからこそFAAの訓練をしているときからJCABのことを知っておくことが大事なんです。

ちなみにFAAの事業用が終わったらJCABに進まない方法もあります。若い人だったらCFIをやるのもいい経験でしょうし、FAAならA320B737のタイプレーティングも取れちゃいます。ただしイニシャルタイプ(初めての型式限定)の時は、確かSIMだけでなく実機経験が必要になったと思います。

型式限定訓練はまたの機会に書きますが、勉強量は何十倍にも膨れ上がります。疑問は教官に聞くというより、自分で(若しくは同期などの仲間で)FCOM(Flight Crew Operation Manual)で調べることが多いです。海外では『セルフスターター』なんて言われますけど、どんどん自分で勉強することが必要な世界です。誰かから聞いた耳からの勉強も大事ですけど、根拠を見せることができるかが大事なんです。『ほら、ここに書いてあるでしょ』って。

飛行訓練はどんどん進むし、多少の差はあっても誰でも出来ます。それに楽しいです。でも飛行機は『知識で飛ばす』ものだと僕は思ってます。なんて偉そうなこと書いてますが、今だから言えることなんです。なので訓練中の方がこのブログを読んでくれていたら、沢山勉強してください。沢山本を読んでください。話を聞いてください。必ずそれが役に立つときが来ます。ちょっと技術的にうまく飛ばせるとか関係ないです。どんな上手い人でもイレギュラー起こしてしまえば、ラインでは乗務停止ですからね。あと得意分野を持っておくことです。自分はシステムが得意とか、気象は誰にも負けないとか。それが自信に繋がりますから。

今日は典型的な冬型の気圧配置でした。どうして冬は北風が吹くんでしょう?何故冬はシベリア気団が優勢になるか説明できますか?