社会人からパイロット

社会人からパイロットを目指す方へ、そのヒントと応援をするブログです。航空ファンの方にも楽しんでもらえるよう、業界の出来事に雑感を交えながら紹介していきます。

パイロット不足 その3

 『パイロット不足という割に募集が少ないのは何故か?』という質問を頂いたので、ブログを通じ、回答したいと思います。

おそらく殆どの会社は、新しいパイロットの獲得に必死になっているのは間違いありません。本音はどんどん採用してどんどんFO昇格させて、FOはCAUG(キャプテンアップグレード)コースに投入して…としたいところですが、訓練枠に制限があるというのが一番大きな理由のようです。

型式限定取得訓練にはSIMが必要になりますが、とにかくこのSIM自体に空きがないのです。SIMは型式限定訓練以外にも、現在いる乗員の定期訓練にも使われています。加えて病気で休んでいた方の復帰訓練や、各種審査、検証、採用活動等にも使用されるので、中長期的な計画な中で使用されているんですね。これはSIMを持っている会社、外部委託している会社のどちらにも言えるようで、では単純に『SIMを増やせば良いのでは?』と思っちゃいますが、そこは高額な資金投入と設置場所等の問題から、それも簡単にはできないとうことなんですね。

そして教官も足りないのです。一般的に現役を引退した比較的高齢の方々に養成訓練をして頂くケースが多いのですが、どこも乗員不足で今までは教官をしていたような人にも少しでも乗務してもらいたいということから、身体検査証明が取れる方には飛んでいただく。そうすると当然教官の数は減る、ということも起こっています。

パイロット不足は困るが余剰も困る、でも現在の便は確保しなくてはいけない…そこに担当者は頭を抱えているとのことでした。

でもこの問題も僕が見ている感じでは各社対策に動き始めているようです。今は加齢乗務員に支えられていますが、それにも当然限界があります。発着枠が広がっても訓練枠は広がらない…これって何かおかしい気が。。。