社会人からパイロット

社会人からパイロットを目指す方へ、そのヒントと応援をするブログです。航空ファンの方にも楽しんでもらえるよう、業界の出来事に雑感を交えながら紹介していきます。

型式限定訓練

就職試験をクリアできれば各社地上研修等はあると思いますが、いよいよ限定取得訓練に進んでいきます。数名で同期となって訓練を進めていくんですが、とにかく勉強漬けの日々でした。CBTでシステムなどを勉強して、そこからFBSと呼ばれる動かないシュミレーターで各種プロシージャーやシステムを学び、最後にFFSで操縦の練習をします。FFSに入るころにはマニュアルで操縦すること以外は何でもできるという状態を作っていくんですね。僕はB3でしたのでそれほど広いコックピットではなかったですけど、それでも『ようやくここまで来れた!』と感動したことを覚えてます。

最初は30mを超える機体のタキシングは難しくて思うようにいかないですし(SIMは実機に比べセンシティブに反応します)、上昇レートもこれまでには経験をしたことのないパワーで上がっていきますが、FFSも後半に来れば大分いろいろなことができるようになってきます。はじめから終わりまですんなりいく人もいますが、そうでない人の方が多いです。ここまで来るとみんな必死で取り組みますが、ギリギリのところまで追いつめられるので、人間性が出てくるんですね。一人では勉強しきれないので、とにかく同期と情報交換をしたり励ましあって乗り越えた時期でした。

日本での限定訓練は航空会社に所属しなければ受けることができないですが、アメリカをはじめとする海外では個人でもライセンスが取得できます。B3とかA320とか、旬なタイプレーティングを就職前に付けてみるのも面白いかもしれないです。『B737 FCOM』とか『B737 FCTM』等と検索をかければ、オッフィシャルではないかもですが各種マニュアル類を覗き見ることが出来ます。大体どのくらいの勉強をしなければならないかの目安になるのではないでしょうか。小型機のときとはボリュームが全く違います。ただこれは型式限定を取得するときに勉強すればいいことなので、いま予習をする必要はないです。

この限定訓練以降は決められた時間数で訓練が進んでいきます。これまでは人によって短い時間で仕上がる人もいればちょっと多めに飛んだ人もいるかもしれないですが、ここからは違うんです。出来なければフェイルという事になりますから、基礎訓練の時からそういった意識を持って訓練を進めていくと良いと思います。正直、教官には当たりハズレがあります。晴れてチェックに合格すれば、ようやく実機へと進めることになります。型式が入ったライセンスを貰った時はこれまでの訓練期間で一番うれしかったです。たった一行ですけどね。(笑)