社会人からパイロット

社会人からパイロットを目指す方へ、そのヒントと応援をするブログです。航空ファンの方にも楽しんでもらえるよう、業界の出来事に雑感を交えながら紹介していきます。

集中力

パイロットは航空法で乗務時間が設定されています。僕の会社では1ヶ月100時間以内、3ヶ月270時間以内、年間1000時間以内という具合です。ごくごく普通の会社員を経験した僕は『働く時間がそんなに短いの?すばらしい!』と思ったものでした。でもこれはあくまで乗務時間であって勤務時間ではありません。ちなみに乗務時間60時間と90時間では疲れ方がものすごーく違います。

同じ社内でも事務職をされている人達から見れば僕達の働いている時間は短そうに見えてるかもしれないです。しかし土日早朝深夜も関係なく働いてますし、スタンバイが入ったり…実際の拘束時間は一般的な社会人と変わらないかもです。それに定期審査前は勉強しなければならなかったり、今は各社お酒の飲み方もかなり厳しくなっていたり…意外と自由な時間は少ないかもしれません。

さて集中力という事で、運航時、乗員は気が張ってますがフェーズによって多少コントロールすることをしています。またオートパイロットはパイロットの余裕に生み出してくれる素晴らしいものです。その余裕を計器のモニターなど、他のところ分散していきます。しかし訓練中はそうはいかない。そもそも小型機の訓練時はオーパイなんてなかったですし。僕は訓練時、かなり失敗を引きずってしまうタイプでした。『あー、なんでさっきあそこで失敗したかな』とか『こうすべきだった』とか。でもそう思ってしまうと失敗が次から次に襲ってくる。もう負のスパイラル状態。なので失敗は降りてから反省することに決めて、上空では忘れることにしてます。過去は変えられないし、1分で数マイルも進んでしまう乗り物に乗ってる以上、頭は常に先に持っていく必要があるのです。そうは言っても…というのが人間で、僕は何冊もその手の本を読んだりしました。その中で役に立った2冊を紹介します。

 

  

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基礎訓練中は『パイロットは一点集中はダメだ』ってみんな言われますよね。それを『散漫たる集中力』と表現される方もいます。パイロットとしては適度な緊張感の中、リラックスしてあらゆるものを情報として捉えることが必要だということです。緊張しながらリラックス??矛盾してるようですが、この表現が的を得てると思います。

また『今日の訓練にどう臨むか』ということを考えたとき、過去や未来に気を取られると失敗する経験を何度もしました。『失敗をひきずる』というのが正にこれです。そして逆に成功を意識した時、失敗を恐れて怖くなって上手くいかなかったことも何度もありました。集中するときは『今』だけに注意を向けることが必要です。

ちなみにイチロー選手が心・技・体で最も大切にしているのは心だそうです。心はその他の2つに比べ、結果に敏感に反応し折れやすいからです。なのでパフォーマンスを落とさないために現在の得点や打率は見ないようにしているそうです。

僕もまだまだ未熟ですが、限られた時間を最大限有効に使うことができる『集中力』をこれからも高めていきましょう。